ガン玉の打ち方 2

ガン玉のメインの仕事は、仕掛けを魚のいるタナまで沈めること。沈めるということは、それなりの重さがあって当然のこと。

ガン玉(オモリ)の打ち方】では大きく沈める話だったが、ここでは小さく沈める“ジンタン”のお話を…

波止のウキ釣りの必需品オモリ。良く使うオモリはガン玉の“B”とか“3B”とか“5B”…その上で1号程度だろう。割シズだと中・大・大々程度。

しかしそれらより小さいサイズのオモリもポケットの中には入っている。

“G5”とか“G8”とか呼ばれるジンタン5号やジンタン8号のガン玉の小さいヤツ。これらは微調整に使われるオモリのグループだ。


ウキの浮力の微調整

ウキは浮くものオモリは沈むもの…このウキとオモリとはいつもセットで働いている。

浮く仕事のウキと沈む仕事のオモリをいつもセットで使ってる釣りとは面白い。山焼きしてるおっさんのすぐ後ろから、消防団が火を消して行ったらおっさんは怒るだろう。

ウキというもの、元々は目印として使ってたのだろうから、海面で“プカプカ”と浮いていても一向に気にならなかったんだろうが、釣りの考えが進化してこの“プカプカ”が邪魔になってきた。

ウキというもの、そのウキに適したオモリのサイズが記してある。“3B” のウキなら “3B” のオモリでちょうどいいということ。

しかし“ちょうどいい”といっても余分に浮力は残ってるし塩分濃度や製品精度の違いがある。そのままだと海面の波でプカプカとウキが落ち着かない時もある。

浮力調整

釣りを始めたころ、棒ウキが立たなければ気になるがこの程度のことなら気にもならなかった。ウキ釣りの歴史の中でも昔は気にしてなかったんだろう。“ウキはプカプカ浮くもの”だから…

しかしその時のエサの状態はどうだ。ウキに引っ張られて上下に動くではないか。これだと誘いどころか“怪しいエサ”になってしまう。食い気の立ったヤツなら気にせずパクつくだろうが常にそうとは限らない。

そこでこの動きを抑えるのが小粒なジンタンオモリだ。

ジンタン5号で0.16g、ジンタン8号で0.07gほどの小さなオモリ。この小さな重さがウキの沈むか沈まないかの最終調整に威力を発揮するのです。

海面の波は通常は風でおこるもの、いくら波があっても魚のいる海中は風も波も無く穏やかなもの。魚の世界と海面上の世界は違うのです。ウキを限界まで沈めることで海面の影響をエサに伝えない。このほうが魚にやさしい仕掛けになるってことです。

しかしこうなる釣り座から見るとほとんど沈んでるウキにしか見えなくなる。見えないなら棒ウキの感度も意味も無く円錐ウキにしたほうが扱いやすく風の影響も少ない。そんなわけで棒ウキから円錐ウキに人気が移っていったんだろう。

円錐ウキでも海面の影響を減らすにはトップも出さず隠れたほうが有利とほとんど沈んだ状態に…だったらいっそのこと沈めてしまえ!…と…

釣り師のチャレンジですな。


口ナマリ

口ナマリ

口(クチ)ナマリとは、サシエサを早く落とすためやサシエサを安定さすためにハリの近くに小さなジンタンオモリを打つ方法

活きエビを使うエビ撒き釣りの時も、この方法を使うことでエビの泳ぎによるタナボケを抑えることが出来る。

“口ナマリ”と聞けば、ハリのすぐ上から10cm程度の場所と思ってしまうが、ハリ上30cmでも目的が口ナマリなら口ナマリと呼んでいいのだろう。

ハリ上何センチ以内だから口ナマリとか決まっているものでもないようだ。

この“口ナマリ”を打つことでオモリがふたつ付くことになるが、本来ある上のオモリを“落としナマリ”と呼び、ソレに対して口ナマリと呼ぶものなんだろう。

エビ撒き釣りのシラサエビやブツエビというもの。“活きエサは元気がいい”のは結構だが、元気を出す場面が“釣り人の求める元気”と異なってるらしい。

エビ撒き釣りというもの冬場の食い気の落ちた時期に威力を発揮するのだが、それはエビの“ピンピンと跳ねるような動き”が魚の食い気を呼び起こすらしい。

エビ撒き釣り

この“ピンピン”だが、出来ればその場でして欲しい。

元気なエビはハリの重さぐらい担いで泳ぎ回るし、ハリスの重さも関係ない。ハリスの長さが1mあれば半径1mの中で泳ぎまわるわけ。そうなると狙いのタナなどボケてしまうし、泳ぐことより“ピンピン”してほしいわけである。

この泳ぎを抑えて“ピンピン”させるのが上の口ナマリ要素の1発のジンタンオモリ。

ジンタンを打つことで元気なエビの泳ぎを制御し、ハリの付近に釘付けて“ピンピン”させるほうがエビ撒き釣りは釣果が上がるようだ。

それに泳ぎ回られるとハリス部分が縺れてしまう。八の字泳ぎが得意なエビなら八の字結びの完成だ!