ライン・ハリスの号数と強度

釣り糸のラインハリスを買うときに号数を見て買うのが普通だろう。
さて、この“号数”とは何なのか?


ライン・ハリスの号数

0.5号とか1号とか1.5号とかで呼ばれる号数表記

「イチゴーだとキツイやろからイチナナゴのほうがエエんちやうか」って、「1.5号だと切れる可能性もあるから1.75号にしたほうが無難ですよ」の意味だから強さのことだと思うのだが、どうもそうではないらしい。

号数は重さ?

この釣り糸で使われる号数の元は重さの意味で、現在の合成繊維の糸が出る前はテグスといってカイコや絹糸を使っていたそうで、その頃の流通段階での重さの単位が今の号数になったそうだ。

尺尺

流通される糸の長さは基準が5尺。5尺で1分の重さがあれば「1分の釣り糸」となる。

一分の釣り糸 0.375gで1.5m(5尺)の釣り糸
一厘の釣り糸 37.5mgで1.5m(5尺)の釣り糸
五毛の釣り糸 18.75mgで1.5m(5尺)の釣り糸

一分、一厘、五毛とそれぞれに重さが変わるだけ。

それが尺貫法からメートル法に変わるとなって一分、一厘、五毛などが使えなくなり

10号 一分の釣り糸
1号 一厘の釣り糸
0.5号 5毛の釣り糸

となったらしい。

その時の一厘の釣り糸の直径が0.165mmだったから1号が0.165mmとなり、それぞれに太さの基準が決まっていって現在の太さ基準になったらしい。

号数 0.6 0.8 1
標準直径
(mm)
0.128 0.148 0.165
1.2 1.5 1.7 1.75 2
0.185 0.205 0.218 0.220 0.235
2.5 3 4 5  ---
0.260 0.285 0.330 0.370  ---

この太さ基準も“寸分狂わず”なんてことは無理であくまでも“標準直径”。50m巻きの全ての場所においてこの太さのわけでもなく、場所によっては細くなったり太くなったりとムラもある。ムラがあれば細いところに力が集中し切れやすいってことだろう。だけどそこは日本人の職人魂!限りなくそれに近づけて品質を保っているだろう。同じ素材の釣り糸でも店に並ぶ値段の差はそこなんだろう。

しかし、1号(0.165mm)と1.2号(0.185mm)の差は0.020mm。渓流釣り用など、0.15号(0.064mm)と0.175号(0.069mm)との差はわずか0.003mmだ。この0.003mmの差を商品別に分けるなんて渓流釣り師の拘りだろう。少なくともアメリカ人は0.175号のハリスなんて買わないんじゃなかな。


欧米は強さ表記

ルアーフィッシングフライフィッシングの場合は号数表記じゃなく強度の表記ポンドテストと呼ばれていて「何ポンドで切れるか」を表記して、それを見て購入するとか…。

今はやってないが、私も子供の頃はスピンキャストとロッドを持って川魚と遊んでいた。でもラインは号数でしか買った記憶がない。

それでこのポンドテスト表記、1ポンドの重さで引っ張って切れたら“1lb”、4ポンドなら“4lb”となるらしい。だから太さはまちまちらしい。

これをキログラムでテストすると、1キログラムの重さで引っ張って切れたら“1kg”、4キログラムなら“4kg”との表記になる。

こっちのほうが分かりやすいと言えばわかりやすいかもしれない。
さかなの大きさを元にラインを決めればいいわけだから…


号数と強度の関係

号数は太さだからと言って強度に換算できないかといえばそうでもないようだ。

ポンド
ポンドテスト
lb
2 4 6
kg換算 0.906 1.814 2.722
ナイロン号数 0.6 1 1.5
8 10 12 16 20
3.629 4.536 5.443 7.257 9.072
2 2.5 3 4 5

ただし、強度テストは徐々に引っ張っていって切れるところの重さだから一気にかけるわけではないだろうし、魚の引き・突っ込みは計算さていないから目安にしかならないだろう。結束部分の強度も関係してくるだろうし、ロッドの性能や、何より釣り人の腕前も大きく影響するだろう。

これはポンド・テスト・ラインでも同じことだ。


釣った値打ちは重さ?長さ?

欧米人は重さ重視?

このポンドテストというもの欧米人は魚の大きさより中身(重さ)を重視するらしい。

そういえばカジキ釣りのチャンピョンの写真の横にはカジキがぶら下がってるし、ブラックバスにしてもハカリにぶら下げてポーズを決めてるし、それに習ってか国内大会も総重量で競ってる。

このゲームフィッシングの要素は国内でも同じで、アユでもグレでも“2匹重量”とか“5匹重量”とか“総重量”とか…、それでその中で“1匹長寸”ってのがある。

日本人は長さ重視?

尺イワナ”とか“尺アユ”とか“尺ギス”とか、どうも30cmが目安になったり、“年無し”とかも50cm越えると年齢が分からないから“年無し”で50cmに拘るし、“座布団ガレイ”もそうだ。魚拓にしても長さを目に訴えてる。

ロクマル”とか‘ナナマル’ってのも長さだ。

反対に小さいばあいでも“木っ端グレ”とか“ピンギス”とか“手のひらサイズ”とかになる。