オモリと天秤
釣りにオモリは必需品。
一般的にハリスを挟んで固定するのを【ガン玉】【割シズ(割ビシ)】と呼び、それより大きいサイズの括り付けたり中を通したりして使うものを【オモリ】と呼ぶことが多い。
オモリは【1号=1匁(もんめ)=3.75g】を基準に2号になれば倍の7.5g、3号は3倍の11.25g、0.5号は半分の1.87gと計算できるが、ガン玉と割シズはそのような計算は出来ない。
ガン玉単位の “B” はもともと散弾銃の弾の単位で散弾が一定距離を飛んだ時の密度の基準らしく、その弾に割れ目を入れて使ってたと言われている。そのため、号数表示のように簡単に倍にしたり割ったりして比較できるものではない。
割シズも大・中・極小と大きさを表すような単位付けで『金型作りの失敗で出来た金型を利用して出来上がったのが極小』で、小と極小の間があまりにも飛んでいたので中間の小々が誕生したらしい。
それぞれを重さに換算したのが下記の表。ガン玉の号数表示部分をジンタンといい、 ジンタン1号(G1)ジンタン2号(G2)と呼ばれている。ジンタンは数字が大きくなれば軽くなる。
ガン玉はメーカーによって基準が異なっている。
オモリの重量

ガン玉重量表 | |
---|---|
6B | 2.65g |
5B | 1.85g |
4B | 1.20g |
3B | 0.95g |
2B | 0.75g |
B | 0.55g |
1号 | 0.40g |
2号 | 0.31g |
3号 | 0.25g |
4号 | 0.20g |
5号 | 0.16g |
6号 | 0.12g |
7号 | 0.09g |
8号 | 0.07g |
割シズ表示 | |
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特大 | 2.35g |
- | - |
大々 | 1.35g |
大 | 1.00g |
中 | 0.80g |
- | - |
- | - |
小 | 0.35g |
小々 | 0.25g |
極小 | 0.20g |
- | - |
- | - |
- | - |
- | - |
号数表示 | |||
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- | - | 10号 | 37.50g |
0.5号 | 1.87g | 8号 | 30.00g |
- | - | 7号 | 26.25g |
0.3号 | 1.13g | 6号 | 22.50g |
- | - | 5号 | 18.75g |
- | - | 4号 | 15.00g |
- | - | 3号 | 11.25g |
- | - | 2.5号 | 9.38g |
2号 | 7.50g | ||
- | - | 1.5号 | 5.63g |
- | - | 1号 | 3.75g |
- | - | 0.8号 | 3.00g |
- | - | - | - |
- | - | - | - |
注)オモリの重さは製造誤差が大きいので一般的な例で記載しています。
オモリの種類
割シズ(割ビシ)
割シズはカミツブシオモリとも呼ばれるようにガン玉より柔らかい。また縦長の楕円形でハリスへの設置面積もひろくガン玉よりずれにくいようだ。
昔はほとんどこの割シズだった記憶がある。それ以外に板オモリ。適当に千切って巻いて 今と違ってかなりアバウトな調整をしてたものだ。
ジンタン
ジンタンと呼ばれるガン玉の小粒サイズは、よく微調整用に使用される。
中通しオモリ
中通しオモリを使う時は、オモリの下部にあるジョイント(スイベルやサルカンなど)と干渉し結び目を痛めるのでビーズ玉やクッションゴムを通しておくこと。ラインを保護するためにラインが通る部分にゴム管が装着されているタイプもある。
クッション付きオモリ
クッション付きオモリは、それなりのサイズを釣る時にクッションゴムが力を和らげてくれてライン切れを防止してくれる。短竿で足元を釣る時などに有効だろう。
タル付(環付)オモリ
タル付(環付)オモリはそれ自体がサルカンの役目もするし、スナップで接続してればオモリ交換もラインを切らなくてすむだろう。
吊り下げオモリ
吊り下げオモリにはいろいろな形状があり、側面の形状は潮の流れに対するもので上下部の形状は主に沈下速度や巻上げ抵抗を考えての形と思えばいいだろう。
水深のある船釣りなどではオモリひとつの形状でも、仕掛け操作や釣果に影響が出るのだろう。
あわせ技を利用しよう!
ウキ釣りでのガン玉調整は微妙なところ。
かといって全てを持つのも重たいだけなので、“2B” が必要な時は “G4” と “B” で代用するなど対応表などを作って持ち歩くのもひとつの知恵です。
6ヒロで1号
6ヒロ(約9m~10m)のタナにサシエサを沈めるには、潮の流れなどで変わりますが最低1号のオモリが必要といわれている。
ふだんBとか2Bで釣ってる人にはかなり重たい仕掛けと思うかもしれませんが1号の重さがないと沈んでいかないってことです。
ということは1号オモリでも魚にしたらかなり軽仕掛けってことなんでしょうか ?
天秤(テンビン)の役割
ウキ釣りの主役がウキなら投げ釣りの主役は天秤(テンビン)です。
天秤オモリが魚釣りを楽しくしてくれる
船釣りとか投げ釣りの仕掛けで【天秤オモリ】を使いますが『みんな使ってるから』とか『仕掛け集に書いてあるから』とかで、何気なく使ってる人もいるかもしれません。
この【天秤オモリ】、船釣りとか投げ釣り仕掛けには無くてはならないものなのだ。
もし、天秤オモリじゃなく中通しオモリで船から仕掛けを落とすと?
投げ釣りで中通しオモリを使うと?


上の画像のように落とすにしても投げるにしても重たいオモリが仕掛け部分より先にいきいます。その結果、仕掛けの部分が道糸に絡まってしまうのです。
そこに登場するのが天秤オモリ(片天秤とか両天秤とか )
天秤のアーム部分が道糸と仕掛けの間隔を維持して、絡みにくいようにしてくれてるのです。アームが長ければ長いほど絡む可能性は少なくなります。ただし、長くなると抵抗(水や空気)が増えて一気に落ちなかったり遠くへ飛ばなかったりします。
投げ釣り用の天秤
投げ釣り用の天秤にはL字型の固定式と誘導式、それとジェット天秤のような半誘導(半固定)式があります。それぞれに使い分けといいますか、一長一短あります。
誘導式天秤
天秤のアームのリングに仕掛けを結ばないため、魚がエサをくわえた時に天秤の重さを感じず違和感を軽減でき、その結果食い込みが良くなります。飛行時に仕掛けが安定せず固定式に比べて絡みやすく飛距離も劣ります。置き竿での釣りは大物がヒットする確立が高く、結果食い込みが良い誘導式天秤のほうを使います。
固定式天秤
天秤に仕掛けを結んでるため魚がエサをくわえた時に違和感を感じさてしまう。ただし、天秤のアームの戻りと魚の動きで向こう合わせのようにもなる。飛距離を稼ぎたい時やキスの引き釣りなどは固定式天秤がいいようだ。
半誘導(半固定)式
天秤に仕掛けを結んでいるがオモリ部分がアーム(軸)をフリーで動くため魚への違和感は固定式より少なくなる。ただし、アーム部分をこえては動かない。軸(アーム)部分が飛行時と着底後とで形が変わるのが特徴で、ジェット天秤や名古屋天秤などがその仲間。

左の図が誘導天秤の仕組み。
上のアームのリングと横ののアームのリングの大きさが異なるため(上が小さく横が大きい)リール側でラインを巻いたときは、上のアームのリングでスイベルが止まり仕掛けを回収できる。
反対に魚がエサを引っ張った場合、スイベルより横のリング径の方が大きくスイベルが素通りして、その結果、天秤オモリを動かすことなくエサをくわえて動くこともでき、エサを離してしまう確立が下がる。
軸(アーム)
- 非L字型
- ジェット天秤、名古屋天秤など。
ジェット天秤は、仕掛け回収時に軸の部分が一直線になり根掛かりしにくくスムーズに動き、海草の中の引き釣りとかに都合がいい。また、固体部分にフィンが付いていて引き上げる時に上昇する力が働き、大きな落ち込みなどからでも仕掛けを一気に引き上げてくれる。
しかし飛行時はアーム部分が固定されていないために不安定になり仕掛けが絡みやすく、着低中は直線形状のため潮の影響を受けて転がりやすい。
名古屋天秤はオモリ部分が交換できるようにスナップで垂れ下がっているので根掛かりはしやすい。飛行姿勢はジェット天秤より安定してるようだ。
- L字型
-
海藻天秤に代表されるように軸(アーム)はL字型に固定されていて、飛行時も着底後も変わらず安定している。回収時は海水の抵抗で不安定な動きになり、ジェット天秤に比べて障害物にもかかりやすい。
同じL字型でもスリム形状にして空気抵抗を下げたり、アームを長くして仕掛けの絡みを防いだりと各メーカーから出ている。


タングステン合金
最近はタングステン合金を使った天秤に人気があります。タングステン合金は鉛より比重があり同じ重さで小さな設計が可能になり空気抵抗も少ないので飛距離アップになります。ダイワのトップガンやFUJIのタングステンデルナーなど。